北海道地方会

北海道の看護研究者・看護職者向けに、学術集会・セミナーなどの開催といった活動を行う地方会です。

学術集会の報告

一般社団法人日本看護研究学会 第31回北海道地方会学術集会のご報告

 
学術集会長 山崎 公美子
                           学術集会実行委員一同
 
 
 令和5年8月5日(土)「超高齢・多死時代における看護教育と看護実践」をテーマに一般社団法人日本看護研究学会第31回北海道地方会学術集会を日本医療大学月寒キャンパスにて、コロナ感染対策を行いながら対面開催いたしました。北海道地区の会員および非会員あわせて57名のご参加を頂き、盛会のうちに終了することができました。
 わが国では超高齢社会を見据えた社会保障制度改革が進められており、高齢者ご本人の意思・意向を大切にして最期まで住み慣れた地域でその人らしく暮らしていけるよう、いかに支えていくかは日本社会が抱える課題です。このような現状をふまえ、地域包括ケアシステムにおける医療と福祉の連携や看護職への役割期待はますます増大し、その専門性が求められていくことと思い、本会のテーマといたしました。そこで、超高齢社会を見据えて先駆的に老年看護学領域の教育・研究に取り組まれ、多大なる貢献をされてきました小野幸子先生(日本医療大学)に「超高齢・多死時代における看護学教育と看護実践現場の現状と課題-老年看護(学)の立場から-」とする教育講演を行って頂きました。超高齢化と在宅死の割合、少子化などの実態をデータでお示し頂き、高齢者の個別性や多様性など特徴をふまえた看護の必要性を具体的にお話し頂きました。さらに、今後、地域包括ケアシステムを主導していくZ世代の若者の特徴にも話しが及びました。時にはかみ合わない価値観や感覚などの世代間ギャップを背景にして、高齢者と若い世代がどのように関係性を築いていくか、また将来を担う看護専門職者をどのように育成していくかなど多くの話題を提供して頂き、看護基礎教育の在り方を考える機会となりました。
 また、一般演題は7題でした。看護系大学生を対象とした研究、高齢者を対象とした研究、また訪問看護ステーション管理者を対象とした研究、さらに文献研究など多岐にわたる報告が成されました。会場の皆様と活発な議論が行われ、対面で行う学術集会の醍醐味を久々に感じました。ご多忙の中で参加を頂きました皆様、ご協賛いただいた各社、北海道地方会役員の皆様はじめ本部事務局、そして実行委員の皆様の協力のもと無事に終了することができましたことを心より感謝申し上げます。