
2011年7月
九州・沖縄地方会会長 大池 美也子
テレビや新聞などによるメデイアを通して、東北地方太平洋沖地震と福島原発に関わる何らかの情報を目にしない日はありません。それらの多くは未解決の問題を抱えた現状です。修復された道路の両脇には瓦礫の山が続いています。生活の糧を得ていた職場は失われたままです。これから先、どれほどの時間を要すれば、希望のある日常生活を見いだせるのでしょうか。復興への目処がつかないまま過ごされている多くの被災者のかたがたを思うと心が痛みます。同時に、九州・沖縄地区という離れた場所であっても、私たちは看護者としてできることを常に問い続け、長い道のりを継続的に支援していきたいと思います。
今回の未曾有の出来事は、日常生活のありかたを省みる機会になりました。何気なく使っている電気やガスそして水道などという生活環境のなかにある道具は、当然のこととして使用されているため、疑問を発することもありません。道具がもたらすエネルギーの源にも気づかす、便利な道具によって私たちの生活が拘束されています。道具がなければ生活が営めず、生活そのものへの感性も鈍化しているように思います。看護は、病気や障害のある人々とその生活に向けた実践であり、生活に対する考え方や理解が不可欠です。当たり前の生活を理解するために、非日常を経験することによってしか、私たちは日常を経験できないのでしょうか。もし、そうであれば、看護を学ぶ学生に対し、どのような方法で生活を伝えたり考えたりすることができるのでしょうか。少なくとも、今だからこそ、私たちは、日常生活について、なぜ、どうして、という問いを発していかなければならないと思います。
さて、日本看護研究学会九州・沖縄地方会では、日本看護研究学会会員 木場冨喜先生、田島桂子先生より、九州・沖縄地区における会員の皆様方を対象に、木場・田島基金として研究助成の御支援をいただくことになりました。田島先生、木場先生は、長年にわたって本学会と地方会に御貢献いただいておりますが、今回、研究助成に関するお話がありました。その内容は、平成22年度日本看護研究学会九州・沖縄地区学術集会総会にて提案されるとともに、本学会地方会役員会が一任して検討を進めてまいりました。
研究助成は、九州・沖縄地区における看護の実践・教育・研究をさらに発展させていくための機会になるかと思います。大学関連の教育・研究に関わる皆様方をはじめ、臨床の方々からの応募を期待しております。多くの会員の方からの応募を願いながら、日本看護研究学会九州・沖縄地方会における看護の質の向上につなげていきたいと思います。